象牙の糸巻きの中が黒いというお問合せを頂く事があります。
これは、糸巻きの止まりを良くする為にあえて墨を塗っているものなのでそのままにしておいてください。
墨を塗っていなくても象牙と金具が擦り合わさると少々黒くなります。
その上から墨を塗る事によって止まり具合が滑らかになります。
もう一つ、金具と擦り合わせる箇所を保護する役割があります。
塗ったばかりは綺麗ですが、使っていると墨部分も擦れるので汚れに見える事もあります。
拭いてしまったりして逆に止まらなくなる事がありますのでお気を付けください。
この、金具と擦りあう部分に墨を塗るという作業は、ほとんどの老舗が行っている昔からの知恵と技術です。