三味線のカンベリ修理です。
弾いてできた糸の跡を鉋で削りなおし、砥石で磨いて綺麗にします。
花梨材で、東さわりが付いた小唄・端唄三味線、民謡三味線などはこちらです。
花梨棹は椿油、紫檀や紅木は漆を入れて仕上げております。
漆かぶれなどアレルギーがある方は必ず修理前にお伝えください。
当店では三味線のカンベリ修理をお預かりした際に無料でメンテナンスを行っております。
漆入れ・サワリ調整・胴の仕込み緩みなおし・糸巻きの微調整・天神のがたつきチェック・金物磨き・新しい糸の取り換えなど全て込みのお値段です。
山サワリの切り直しや東サワリの場合は必ず中を分解し、サワリの響きが良くなるようにサワリ駒の切り出しも無料です。
※お使いの駒や胴掛け・音緒も含めて三味線全体をお預かりした場合のみのサービスです。
※作業中に気が付いた事や追加の修理代がかかる箇所があった際は必ず修理前にご連絡させていただきます。
※糸巻きは状態が良くない場合は有料になる場合がございます。
象牙や象牙調、アクリルは無料サービス対象外となります。
様々な作業を行っておりますので、作業期間は当店に品物が届いてから1週間~2週間ほど頂いております。
お急ぎの場合でもできる限り対応致しますのでお気軽にご相談くださいませ。
ご来店でのお持ち込みの場合はお店でお受けいたしますので是非ご来店くださいませ。
↓修理完了までの流れ↓
お支払い手続きの前にお客様の三味線を当店までお送り頂きます。
カンベリ修理は棹全体が必要なので、胴も含めて三味線全体をお送りください。
さわりの調整もするのでお使いの駒も必ず一緒にお送りください。
胴部分は、湿気が入るのを防ぐ為に必ず和紙とビニール袋を入れたままお送りください。
可能であれば分解してお送り頂ければ破損の心配はほとんどございません。
ほぞは割れやすいので破損のないようにクッション材や新聞紙などで厳重に梱包をお願致します。
仮継ぎがある場合は付けて頂くようお願い致します。ない場合はプチプチなどで代用してください。
三つ折れケースでの発送も、中にクッションを十分にお入れください。
分解ができない場合は輸送中の衝撃で破損のないよう厳重に梱包をお願致します。
ケースに入れてお送り頂く場合もクッションを十分にお入れください。
大きめの箱やケースの外側にもプチプチなどをまいてお送り頂けば破損の確立が低くなります。
天神部分が壊れやすいので天神の先がケースの底に当たらないように下の写真のように浮かしてください。
品物が届きましたら状態を拝見させて頂き、修理内容の確認とお見積りを当店よりご連絡致します。
決まった修理のみの場合はお先にご入金頂いても構いません。
万が一その他の修理箇所があった場合もご連絡致します。
作業が完了し、ご入金を確認させて頂きましたら当店から発送させて頂きます。
修理は必ず全て私達が担当致します。
店の外へは出しませんのでご安心くださいませ。
作業内容↓
カンベリというのは三味線を弾いていてツラにできた糸の跡(溝)の事です。
ツヤが白く落ちてきた場合やさわり部分の減りなどもカンベリ修理すれば取ることができますので、当店では全て含めて行います。
カンベリ修理は上駒を取り、さわりの上から棹の一番下まで鉋(かんな)で削ります。
同じ場所ばかり削るとその部分だけが凹んでしまいますので棹全体を平均的に削ります。
東さわりが付いている三味線はさわりの中身を取ってからの作業します。
早めにカンベリを取ればそれだけ薄く削るだけで済みますので三味線が長持ちします。
さわりの部分も削って糸溝など取ります。
棹を削る際、凸凹にならないようにや頂点から下棹の先を定規で測ってしっかりすいているよいうになど気持ちよく演奏ができるようにチェックします。
次は砥石を使って磨きます。
削る作業と同様に上から下まで平均的に磨きます。
凸凹にならないように私たちは長い砥石を使用しています。
綺麗に仕上がるように最初は荒い砥石を使い、最後は細かい砥石と段階を踏んで磨きます。
ツラを磨き終えたら次はさわり部分の溝を作ります。
私達はさわりを切るという言い方をしています。
このさわりを切る作業によって音質が変わりますので非常に重要な作業です。
ここがうまくできないと糸の振動率が変わってしまいうるさい音になったり全然響かない音になったりします。
三味線によって溝の深さが違うのでその時その時で砥石を使い分けております。
さわりの磨きが終わったら棹のすき具合や凸凹がないかを最終チェックし問題がなければ椿油や漆を使いツヤを出します。
東さわりがある場合は漆が乾いた後に戻します。
東さわりのさわり駒が減ってしまっている場合も山を再度出したりしております。
漆が乾けばカンベリ修理は完了です。
ただ削って磨くだけではなく、見えないところで音が良くなるように調整をしております。
漆にかぶれてしまう方は椿油のみで仕上げますので必ず最初にお伝えくださいませ。