~『ハ』の高さって何?~
三味線の『ハの高さ』というフレーズをよく聞くかと思います。
この『ハの高さ』をしっかりとした寸法に調整しないと、駒をかけても弾きにくかったり良い音がしないという事が起こります。
まず、『ハ』というのを簡単にご説明致します。
通常棹に対して胴の駒を掛ける方は少し下がっております。
この下の方が下がっている事を『下がり』といい、その『下がり』の寸法の事を『ハの高さ』と呼んでおります。
この『ハの高さ』は三味線のジャンルによってちょうど良い高さが変わります。
例えば長唄三味線、地唄三味線、津軽三味線とでは『ハの高さ』が少々異なります。
駒の高さの違いや弾き方なども違うので、『ハの高さ』の調整もそれによって変わってくるんです。
私達はこの『ハの高さ』の調整を1厘単位で行っております。
・手順はまず現在の『ハの高さ』を測り中木の接着部分を取ります。
・次にノミで高さをイメージしながら削り角度を調整します。
少し削るだけでもかなり変わってくるのでかなり繊細な作業になります。
・寸法を合わせて削ったら膠で接着します。
接着後に確認し、『ハの高さ』がちょっとでも合ってなかったら再度外してやり直します。
そのくらい三味線にとって『ハの高さ』は重要になります。
当店で中古三味線を作成する際に必ずチェックし、必要であれば行っている作業です。