中古の紅木長唄三味線です。
棹全体の磨きやハや糸巻き、さわりの調整、皮の張り替えなど全てチェック・修理しております。
棹のバランスが良く、太さもありますのでお勧めの1棹です。
駒や予備の糸、和紙袋をお付け致します。
※仮継ぎはございません。
~商品概要~
紅木 長唄 象牙糸巻き 丸打ち胴 5468 (リニューアル中古)
新品参考価格…35万円前後
材質……………インド紅木
つら幅…………約2.5センチ(8分4厘)
胴の大きさ……長唄サイズ丸打ち胴
糸巻き…………象牙面取り
その他仕様……上下段違い2本溝・三つ折れ
付属品…………胴掛け・音緒・プラスチック駒・和紙袋・予備糸・天神カバー
当店の三味線は全て自分の工房で作っております。
こちらの三味線を作るにあたってかんべり修理(17600円)と天神の先や側面含む棹全体の磨きなおし(44000円)の作業をしました。
棹全体を磨き直しは中古三味線を作り直す過程で私たちが特にこだわって行っております。
当店では仕上げに漆を入れておりますが生の漆を使用しているので自然で高級感のある落ち着いたツヤ感の仕上げになっております。
棹の磨き直しは新しい三味線を作る工程と同じ作業内容なので中古とは思えない品物になりました。
棹の感じは紅木の中でもとても硬く、かんべりがしにくい密度の詰まった良質な棹です。
数十年使っても木材の質は変わりません。
胴と棹のバランスが非常に良く演奏が大変しやすいお勧めの1丁です。
ツラだけでなく側面まで丁寧に磨き上げて最終的に漆で仕上げてります。
皮はこの三味線を作るにあたり表面を犬皮で新しくお張りしております。
裏皮は破けていなかったのでお張りしておりませんがその分のお値段を引かせていただいております。
胴は長唄サイズの丸打ち胴が仕込まれております。
胴部分も傷が少なく綺麗です。
ハの高さも長唄の駒をかけてちょうどよくなる寸法に合わせてあります。
さわりは長唄や地唄などジャンルによって1厘単位でベストな幅が違います。
溝の深さや幅で糸の振動率が変わり音も変わります。
こちらはカンベリの際に長唄の駒の高さをかけて音の響きが良くなるような数値でさわりも切り直しております。
さわり部分はジャンルによる違いを理解し、直接手で作業をしている当店独自の強みです。
金具も6か所全て取り外し、一番使いやすいとされる糸巻きの開きの寸法に直してあるので使い勝手が良くなっております。
金具の付け直しも行っておりますので使い始めて早い段階で取れるという事はございません。
通常の修理ですと糸巻きの開き直しが11000円、金具の付け直し+糸ぐら磨き6箇所9900円かかりますが全て行ってある状態です。
金具も綺麗に磨き直しました。
糸巻き部分は象牙が使用されており調整済みです。
象牙の糸巻きだけでも本来10万円ほどする品物です。
継ぎ手の中は2本溝になっております。
上下とも段違いの2本溝なので溝だけでも高級な作りが感じられます。
ご購入後万が一、中木が取れてしまったり、糸巻きの金具が外れてしまった場合など(皮は除く)、1年間は無料で修理致しますので安心してお使い頂けます。
当店では全ての品物を店頭にてご覧頂けます。
是非ご来店頂き、実際に現物を触って頂ければ幸いです。
~『菊岡 中むら』のリニューアル中古三味線ができるまで~
当店は実際に『菊岡 中むら』店舗の中のお客様の目の前で職人が全ての作業を行っておりますので、お店に来て頂ければいつでも作業風景をご覧頂けます。
当店の中古三味線は「ハ」や「下がり」がくるっていたり、糸巻きや別の部分が調整不足のままお出しするという事は100%ございません。
皮も新しく張り替えてからお出し致します。
当店では自分達の手でしっかりと手を掛け、新品同様の状態に作り直してから販売しております。
新品に比べて値段も安く、売れ筋の品となっております。
それでは簡単ではありますが当店のリニューアル中古三味線が完成するまでをご紹介致します。
まず第一に棹の曲がりや「ハ」の高さをチェックします。↓
棹が曲がっていると3の糸が落ちてしまったりします。継ぎ手の中を少し削ったりしながら曲がっている方向とは逆に振って調整します。↓
「ハ」が低かったり高かったりで合っていない場合は取り外して高さを合わせて調整します。
高さが合っていないと弾く際に非常に弾きにくくなりますので1厘単位で何回も確認しながら調整します。この修理を「ハ直し」といいます。↓
そこまで完了しましたら次はカンベリ修理と棹磨きに入ります。
中古で引き取った三味線はツヤがない物が多いので綺麗に磨いて最後は漆を入れて仕上げます。
カンベリを取ると厚みが減ると言う方もおりますが、うまく取ればさほど減りません。
実際に当店で販売している中古三味線は先何十年も使える品しかお出しません。↓
磨きの作業は天神の先まで行います。
新品を作る時と同じで、棹の全体を磨いてしまうので新品と同じように綺麗になります。↓
次は胴です。たまに胴の留め部分に隙間があったり割れている場合は一度4枚にばらして前の糊部分を綺麗に洗います。
そして再度削り合わせて接着します。この作業を「胴付け」といいます。↓
皮の張り替えに移ります。ここで音がある程度決まってしまうので大変重要な作業です。
当店では張りあがっても自分張り具合に納得がいかない場合、少しもったいないですがそれを剥がして何回でも張り直します。
当店では張り替えに『自分の手』以外は使いません。↓
手で張る際は『木栓』という道具で皮を挟んで引っ張ります。↓
皮を張り終えて糸を掛ける前に糸巻きの調整をします。
糸巻きの調整がしっかりされてないと使えないので地味ですが非常に大切かつ技術のいる作業になります。
金物が取れかかっていたり糸巻きの開きが悪い場合も後々心配のないように全部外して付け直します。
場合によっては全て取り替えてしまう事もございます。↓
最後に胴掛けや音緒などを付けて糸を掛ければ完成です。
最後に自分たちで実際に音を出して音が悪ければ再度チェックし直します。
そこまでこだわって当店の職人は1つ1つ丁寧に作っております。↓
最後になりますが、写真や文章だけでは見えない部分が多々あります。
当店では、新品・中古に限らず、長年共にする楽器ですので値段や情報だけで判断せず可能であれば実際に品物を手に取って見る・触るという事をお勧めしております。
また、購入後もメンテナンスは必ず必要になってきますので、安心してお付き合いのできるお店選びも重要です。
ご遠方の方は大変かもしれませんが、品物は全て店頭にあり、ネットと価格は同じすので是非足をお運び頂ければと思います。
ご来店を心よりお待ちしております。